歯学

どんな学問?

歯科医師は「口」のお医者さん

歯科医師は「口」のお医者さんのイメージ画像!「食べる」「話す」「呼吸する」・・・「口」は、人間の身体のなかでも特に様々な機能を担っています。さらに歯周病は心疾患(狭心症や心筋梗塞)と関連があるという研究結果が出ているなど、「口」が「身体」に影響することもあります。つまり、歯科医師は虫歯を治療するだけでなく「口」のお医者さんでもあり、身体の健康を守る役割も担っているのです。そんな歯科医師になるために学ぶのが「歯学」という学問です。

歯科医師になるためには、「歯学科」で6年間学ぶ必要があります。大学入学から歯科医師となるまでの一連の流れを見ていきましょう。

歯学科の6年間

歯学部をもつ大学は全国に29校あります。なかには歯科衛生士や歯科技工士の養成を目的とした「口腔保健学科」「口腔生命福祉学科」(4年制)をもつ大学もありますが、ほとんどの歯学部は歯科医師養成のための「歯学科」のみとなります。

※歯科衛生士、歯科技工士は、こちらの「資格一覧」を参照してください。

Q&Aこんな疑問に答えます

Q.

歯科医師が多くて余っているって本当ですか?

A.

患者さんの数に比べて歯科医師の数が多くなってきているのは事実です。全国の歯科医院の数は、コンビニの数よりも多いというデータもあります。そのため、開業医を目指す場合、歯科医師としての技術だけでなく経営センスも磨かなくてはならないことは確かです。また、診療時の対応や歯科医師自身の人柄に問題があれば患者さんは来てくれません。現代の歯科医師には、経営のセンスとコミュニケーション能力、そして歯科医師としての確かな技術など様々な能力が求められているのです。

Q.

どのような人が歯学に向いていますか?

A.

口の中を扱う仕事なので、細かな作業が好きな人に向いています。しかし、それだけではよい歯科医師にはなれません。これは医療に携わるすべての仕事に言えることですが、一番大事なのは患者さんのことを本気で考えられる、ということです。患者さんの人生まで考えてQuality of Life(参照)を高めたいと思える人が、本当の意味で「よい歯科医師」になれるのです。

Q.

不器用だけど、歯学部でやっていけますか?

A.

歯科医師にとって手先の器用さは確かに重要ですが、不器用だから向いていないということはありませんし、それが理由で国家試験で落とされるといったこともありません。また、器用さは努力次第である程度までは身につけることができます。そのため、器用さは歯科医師の必要条件ではなく、あくまで「その方が有利だ」というくらいに考えておけばいいと思います。もちろん研究者を目指すのであれば、手先の器用さはほとんど関係ありません。

専門用語を知ってるかな?

インプラント

歯の失われた場所に人工歯根を埋め込み、その上に人工の歯を取り付ける方法。歯根から埋め込むため安定感があり、しっかり噛むことができるというメリットがある反面、手術が必要、入れ歯と比べると費用が高いといったデメリットがあります。

口腔

口から喉にかけての部分(唇や頬なども含む)をまとめて口腔と呼びます。顔の3分の1を占め、機能的に非常に重要な場所です。食べ物を噛んで消化するだけでなく、発声についても重要な役割をもっています。本来は「こうこう」と読みますが、医学用語としては「こうくう」と読まれます。

歯科助手

器具の管理や受付などの業務を行う人です。歯科衛生士や歯科技工士(資格一覧参照)とは異なり、国家資格ではなく民間の資格になりますが、この資格をもっていなくても歯科助手として働くことはできます。ただし患者に触れる医療行為はできません。

脱灰(だっかい)/再石灰化(さいせっかいか)

脱灰とは口の中の細菌が出す酸により歯が溶けること、再石灰化とは唾液などの働きにより溶けた成分がもとに戻ることを言います。口の中ではこの脱灰と再石灰化が繰り返されています。脱灰のスピードが再石灰化のスピードを上回ってしまうと、虫歯のはじまりとなるのです。

こんな研究もあるよ

歯のバンソウコウ

歯科医師は「口」のお医者さんのイメージ画像!「歯医者さん」というと痛くて嫌だなと思う人も多いのではないでしょうか。でも「歯のバンソウコウ」があることを知っていますか?歯や骨の主成分である「ハイドロキシアパタイト」で薄い膜を作り、それを歯の複雑な形に合わせて加工し、歯をすっぽり覆うように付着させるものです。近年、日本の研究チームが開発に成功しました。この技術は他にも知覚過敏症の治療、歯の修復や保護、歯の汚れを落として白くする審美治療などへの応用が期待されています。削るだけではない、新しい歯の治療法も歯学の研究対象の1つなのです。

卒業後の主な進路

卒後臨床研修のあと、「歯科医師」に!
研究者を目指して大学院に進む人も

多くの人は卒後臨床研修のあと、「歯科医師」として歯科医院や病院に勤務します。開業医を目指す人も、最初はどこかの歯科医院で働きながら治療や経営のノウハウを身につけるのが一般的です。
大学院に進学する場合は、自分の専門分野を決め、学位(博士号)や学会が分野ごとに認定する専門医を取得します。研究内容は様々で、最新の医療に関するものの他に、根本的な「生命科学」や「歯型による個人の識別」など、歯の治療に直接関係しないものもあります。大学院卒業後は、身につけた専門性を活かせる現場で働く人もいれば、そのまま大学に残って研究を続ける人もいます。また、なかには厚生労働省などの行政機関で日本の医療行政に携わる仕事に就く人もいます。

ひとことコラム

21世紀社会における歯医者さんの新しい役割とは?

高齢化が進む日本。現在は4人に1人が65歳以上であり、2035年には3人に1人が65歳以上になるという試算もあります。医療面では高齢者の身の回りのお世話をする介護ばかりが注目されていますが、お口の介護(=口腔ケア)もそれに劣らず重要です。
高齢者の中には歯科医院まで通うことが困難な方が多くいます。そのような人たちのためにあるのが「訪問歯科医療」です。歯科医師による専門的な治療を受けることができ、医療保険も適用されます。ただ長生きするだけではなく、Quality of Life(参照)を保ちながら幸せに暮らす、そういった環境をつくるためには歯医者さんの役割が非常に大きいのです。

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